若いころからクラシック音楽をずっと聴いて来た。といっても造詣が深いとは言えない。
知識としては、“広く浅く”というよりは、今では “広く薄く” というレベルだと思う。
クラシック音楽を聴くことは、私にとっては「美しい音楽」を聴くことに他ならない。
クラシック音楽といっても、私が聴き始めた頃の昔は、モーツァルト、ベートーヴェンの古典派の音楽から、シューベルト以降のロマン派の音楽
(国民楽派を含む)を中心に構成されていた。
しかし、時代を経て、その範囲は前後に拡大されてきて、今では10世紀頃の中世の音楽から21世紀・現代音楽のものまで含めてクラシック音楽の
範疇に入っている。
これは、昔から購読しているクラシック音楽専門誌「レコード芸術」(音楽之友社発行の月刊誌)の内容がそのように拡大されてきたことによる。
その影響で、私の聴くジャンルも広くなっていった。
私にとって「美しい音楽」とは、“癒し”を超え、“心を打つ”作品であることが、ベースとなっている。
では、ルネサンス以前の中世の音楽はどうか、現代音楽は美しいか、と問われれば、「美しい」ものもある。逆説的ではあるが、そうでないものが
あれば、成るべく「美しい」と想う聴き方をする(「美しい」を見つける)。これが、“広く”聴いて来られた理由である。
もちろん、クラシック音楽以外にも「美しい音楽」は沢山あるし、色んなジャンルの「美しい音楽」を数多く聴いて来た。
たとえば、ジャズ、ソウル、洋楽ポップス、カントリー、ラテン、ロック、歌謡曲、Jポップ、Jフォーク、古典邦楽、民謡などを聴いて来た。
昔から言われている比喩を引用すれば、「クラシック音楽は」生きてゆくための「主食」であり、存在感、満足感を享受し、
他の音楽は、「デザート」として、束の間の幸せを享受できる。というもので、異論・反論がある人もいるでしょうが、ほぼ私もそう思っている。
ただ、音楽的にどちらが上だ、下だとは言えない。これは、議論の的になるテーマなので今は深入りせず、別の項目として私見を述べてみたい。