私のクラシック音楽への足跡~その2(10)

コンサートで出会った演奏家たち

(10) 小川典子 ピアノコンサート   1990年頃

小川典子のコンサートは、デビュー間もないころに1度聴きに行ったが、時期・場所・演奏など、失念したというよりも「忘却の彼方」の方が
言い得ている。ただ、小川典子が20歳代だったので、1990年頃だと考えられる。

よくは分からないが、その頃から日本のピアニストでは、小山実稚恵と小川典子のファンになっており、今も続いている。とはいっても、
このご両人のCDの所有枚数は4~5枚程度で、演奏会には以後全く行っていない。とても一般的にはファンと呼べるものではない。
もちろん、現在では私の好ましいピアニストは大勢おります。その中で、この二人は上位にあるということです。

 

小川典子(1962年1月28日生)

【プロフィール】

繊細なタッチからダイナミックな大音量まで楽器の能力を最大限に引き出す、日本を代表するピアニスト。
東京音楽大学付属高校を経て、ジュリアード音楽院に学ぶ。1983年日本国際音楽コンクール第2位入賞、1987年リーズ国際コンクール第3位入賞。

これを機にロンドンと東京を拠点として活動を始める。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団、
日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団、九州交響楽団、札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団など、日本の主要オーケストラはもとより、フィルハーモニア管弦楽団、エーテボリ交響楽団、サンディエゴ交響楽団、
ラハティ交響楽団、ミネソタ交響楽団、オーデンセ交響楽団、サイモン・ラトル、レナード・スラトキン、オスモ・ヴァンスカなど、世界の主要オーケストラ、指揮者との共演も数多い。

オーストラリア室内音楽祭、ラトヴィア音楽祭、フランス・リル音楽祭、オールドバラ音楽祭などに参加。
カナダ・ホーネンス国際コンクール、ミュンヘン国際コンクール、スコットランド国際コンクール、ポーランド・パデレフスキー国際コンクール他の
審査員をつとめる。

2009年BBCワールドテレビ「武満徹」案内役として出演。
一方、日本人として非常に珍しい、ケニア、ドバイ、サウジアラビアの演奏旅行を実現。
小学校訪問・病院訪問演奏会など、アウトリーチ活動にも積極的である。
 

1996年武満徹ピアノ作品集の録音以来、北欧最大のレーベルBISと専属契約を結び、25枚を越すCDをリリース。
現在進行中のドビュッシー・ピアノ作品集はレコード芸術誌、英グラモフォン誌など、日本をはじめ世界の各誌で特選盤となり、
BBCラジオ「今週の一枚」にも選出される。

2003年英国の実力派ピアニストのキャサリン・ストットと小川典子のために書かれた2台ピアノ協奏曲G・フィトキン「サーキット」を英国にて世界初演。

2007年、ミューザ川崎にて大友直人指揮・東京交響楽団との共演によりCD録音、2010年リリースされ、現在、世界各誌で絶賛されている。

デビュー20周年を迎えた2008年にはサントリーホールで記念リサイタルを行い「光の角度によって異なる色合いを放つオパール石のような輝き」
(読売新聞)、2010年ミューザ川崎のリサイタルでは『絶妙な色彩で移ろう和声、真摯な作品への対峙は生命力に漲った躍動を湧き起こらせ、
聴く者の心を根底から揺さぶらせた。』(音楽の友)と評される。

邦人新作委嘱に意欲を見せ、2007年ミューザ川崎にてE・グレニー(打楽器)と菅野由弘「アースストリーム」世界初演。

2009年2月ロンドンにてM・ブラビンス指揮フィルハーモニア管弦楽団との共演により藤倉大「アンペール」世界初演。
ミューザ川崎「ベートーヴェン+(プラス)」シリーズにおいて菅野由弘「光の粒子」(09年)、「水の粒子」(10年)を世界初演。
英国、ノルウェー、ニュージーランド、フランスで各国初演。「虹の粒子」(11年2月)ミューザ川崎にて世界初演。

2010 年は南アフリカ、コロンビア、フランスへの演奏旅行、ミュンヘン、スコットランド、パデレフスキー国際コンクールで審査を行った他、
各国でマスタークラスを行うなど、国際的で多彩な活動を展開している。

2011年は拠点とする英国・日本はもとより、アメリカ、アイルランド等でのコンサートや、BISとのレコーディングが予定されている。

2012年ドビュッシー・イヤーには、英国マンチェスター・ブリッジウォーターホールで開催予定の「Reflection on Debussy~ドビュッシーの反映」
音楽祭の企画担当を務め、1月から6月まで数週間おきに自らもドビュッシーを中心としたプログラムでリサイタルや室内楽を行う他、
子どものための教育プログラム、マスタークラス、アウトリーチ、日本文化の紹介等も計画中。

情熱を注ぐ「ジェイミーのコンサート」は各紙・NHKテレビで大きく紹介されている。エッセイ集「夢はピアノとともに」(時事通信出版局)好評発売中。
ピアノの本「ブルドッグがピアノを弾くとき」好評連載中。

東日本大震災からの復興に向け、いち早く活動を開始。世界中の聴衆に語りかけ、英国赤十字社・英国ジャパン・ソサエティを通じた支援金集めを続けている。
 

東京音楽大学客員教授、英ギルドホール音楽院教授。
ミューザ川崎シンフォニーホール・アドヴァイザー、「ジェイミーのコンサート」主宰。
1999年文化庁芸術選奨文部大臣新人賞受賞。
第5回ホテルオークラ音楽賞(2003年)
川崎市文化賞受賞(2006年)

2012年秋にはモーツァルトのソナタ3曲(K.330,331,332)が新たに発売される予定。

 

 

 


(2011年11月現在)

 

 

【どんなCDを聴いて来たか】

(1)小川典子、滝廉太郎から坂本龍一までを弾く~日本のピアノ曲80年の歩み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)ジャポニズム~世界の作曲家の目に映った日本

 

小川典子は、ほかのピアニストと違って、

ユニークなCDを制作しており、

演奏するレパートリーも広い。

スウェーデンのクラシック音楽レーベル

「BIS」の専属アーティストになってお

り、CDもここから発売されている。

こうしたことが、本人の世界観に影響を

与えているものと思う

      (資料) PDF

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



(3)ベートーヴェン(ワーグナー編) 交響曲第9番ニ短調Op.125「合唱付」

 

 

 

 

 

 

「第九」のピアノ演奏版といえば、リスト編曲のものが有名です。
私も「カツァリス」が演奏したCDを所有している。

この、ワーグナー編曲版は、4楽章を原典通りの「合唱」付きで演奏している。
但し、合唱の人数は24名と少ない。迫力には欠けるものの、聴きやすくなっており、教会音楽のような趣がある。合唱は日本が誇る鈴木雅明指揮BCJの演奏。

ピアノの名人リストの編曲版からすれば、17歳のワーグナーが、ベートヴェンを研究している時の作品で、まだ技巧的にも音楽的にもパワーが劣っており、
逆に演奏は難しいと言われている(いずれも、他の人が言っている)。
このため、レアーな曲とも言われ、演奏するピアニストはあまりいない。

下に示すCDの帯には次のように書かれている。
ほとんど演奏不可能なまでの殺人的な難しさ。
小川典子の超人的テクニックが光ります。

その通りだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こんな本も購入しました】

 

右に、目次を載せましたが、これだけでは内容がわかりませんね。この本は、真面目な内容で書かれているにも拘わらず、非常に面白く読んだ記憶があります。

色んな演奏家のエッセーを読んできましたが小川典子はエッセーが得意なのかも、との印象を受けました。

読み直すと、また違った結果になるかもしれませんが、当時の感想です。

 

 

 

 (参考) また、「静けさの中から ピアニストの四季」(スーザン・トムズ著)といったタイトルの翻訳本も上梓しています。 (資料)PDF
      小川典子は、語学にも堪能なのですね
       <20年以上イギリスで生活していた>

   スーザン・トムズは、英国を代表するピアニスト・文筆家。ケンブリッジ大学卒。ソロ奏者として、またドームス・室内合奏団、フロレスタン・トリオのメンバー
  として世界の舞台で活躍。知性と品格に満ちた演奏と文筆の才により各界より高い評価を得ている。Hyperionレーベルを中心に50枚に及ぶCDをリリース。  1985、95、99年グラモフォン賞、99年クラシックCD賞受賞。2000年、王立フィルハーモニー協会賞受賞
  『静けさの中から ピアニストの四季』より

 

【2020年 最新のコンサートのチラシ】