コンサートで出会った演奏家たち
(5) 横山幸雄 ピアノコンサート 1970~1980年頃?
1995年頃、横山幸雄のコンサートに1回通っている。
年代や演目、横山氏のイメージなど内容は覚えていないが、岩井市民音楽ホール(ベルフォーレ)での、このコンサートへ行ったことだけは、
はっきりと記憶している(現在は、板東市民音楽ホールに)。
チケットやパンフレットなどは残っていないが、幸いにもコンサートの会場で購入したCDを探し出すことができた。しかも、当日本人からCDの
表面にへサインを頂いており、この記憶があったことで、CDの存在を思い出すことができた
このCDの情報から、コンサートの内容は、"ドビューシー"と"ラベル"のフランスの作曲家の音楽だったことが分かった。しかも、CDの録音場所が
当時新設(開館)されたばかりの「岩井市民音楽ホール」だったので、杮落しの記念行事としてCD化の後にコンサートを行ったものと思う。
なおこのホールの常設のピアノは、ドイツでアジュケナージが自ら選定したハンブルク・スタンウェイである。
1990年に(19歳で)、ショパン国際コンクールで1位なしの3位で入賞していることを知っていたので、もし、上記のCDがなかったら、
コンサートは、“ショパンの曲だと思う”と記載したかもしれない。
CDの解説者:百瀬喬氏によれば、「ここには、彼が留学したパリゆかりの作曲家ドビュッシーとラベルの作品が収録されている。もちろんショパン
だってパリゆかりの作曲家で、横山さんにとって原点のような作曲家に違いないであろうが、このアルバムを聴いた後では、もしかすると彼にとってはこちらの方がより原点に近い存在なのではないだろうかと想像させられた。それほどに見事な出来栄えである。」と語っている。
横山幸雄 (1971年2月19日生)
【プロフィール】
1986年に東京芸術大学附属高校入学後、パリへ留学。
1990年にはパリ国立高等音楽院をピアノ、室内楽のプルミエ・プリを得て卒業。
1989年、ブゾーニ国際コンクール、並びにロン=ティボー国際コンクールに於いて上位入賞を果たす。
1990年、ショパン国際コンクールに於いて第3位(1位なし)及びソナタ賞を最年少(19歳)で受賞。
1999年、第9回新日鐵音楽賞フレッシュアーティスト賞、
CD「リスト:超絶技巧練習曲集全集」(ソニーSRCR2295)を対象に第25回国際F.リスト賞レコードグランプリ最優秀賞を受賞。
2000年には芸術選奨文部大臣新人賞、モービル音楽賞奨励賞受賞。
彩の国さいたま芸術劇場にて開催されたベートーヴェンの作品番号のついた全ピアノ曲の演奏をライブ録音した12枚組のCD「ベートーヴェン12会」(ソニーCR2521~2532)は第55回文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。
今までにウィーン室内管弦楽団、ベルリン交響楽団、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団、ブダペスト祝祭管弦楽団、エーテボリ交響楽団を含む国内外のオーケストラと共演し、絶賛を博す。プラハの春音楽祭、ヤナーチェックの5月の音楽祭、クフモ室内楽音楽祭、トゥレーヌ音楽祭等の海外の音楽祭への出演、またニューヨーク/カーネギーのリサイタルホール・デビューをも果たしている。
2001年にはサンクトペテルブルグにて同フィルハーモニー交響楽団との共演、またリサイタルデビューを果たし、絶大な喝采を浴びる。
最近では作曲も手がけている。ソニーの専属アーティスト。
現在、パリ・日本を拠点とし、ソロリサイタル、室内楽、オーケストラとの共演、放送出演など多岐にわたる演奏活動を展開し、そのレパートリーも数多く完成された音楽性、テクニックは高い評価を得、今後の国内外での活躍に多くの期待を受けている。
また、執筆活動も続けており、「ワインの練習(エチュード)」他エッセイや自ら監修した楽譜なども発売されている。ワイン好きが高じて、日本ソムリエ協会認定のワイン・エキスパートのライセンス保持者でもある。
⾃ら企画する近年の主な取り組みとして、 ショパン⽣誕200年を機にスタートした「⼊魂のショパン」は、
2010年に「ショパン・ピアノ独奏曲全166曲コンサート」で、“24時間でもっとも 多い曲数を1⼈で弾いたアーティスト”のカテゴリーにおいて ギネス世界記
録に認定。
2011年翌年には遺作を含む全212曲を演奏 して⾃⾝のギネス記録を更新させた。
同企画は2019年5⽉3⽇〜5⽇ に第10回を記念し、ショパンが⽣涯で作曲した240曲の作品 (独奏曲、協奏曲、声楽曲、室内楽曲)を3⽇間ですべて
演奏する前⼈未踏のプロジェクトとして⼤きな成功をおさめ、その記録はDVDとしてリリースされた。また
2020年にはベートーヴェン⽣誕 250周年に向けてのシリーズ「ベートーヴェン・プラス」や「4⼤ピアノ協奏曲」の⼀挙演奏といった継続的に開催される
意欲的な企画は⾼く評価され、不動の地位を確⽴する。
国内の主要オーケストラとの共演に加えて、海外にも活躍の場を広げ、2015年パリにてラヴェルの全ピアノ独奏曲演奏会、
2018年ポーランドリサイタルツアー、ライプツィヒにてゲヴァントハウス弦楽四重奏団、2019年ルイージ指揮デンマーク国⽴交響楽団の定期演奏会に客演、
台北にてショパン協奏作品全6曲演奏会など、いずれも拍⼿喝采で迎えられた。
これまでリリースされたCDは、⽂化庁芸術祭レコード部⾨優 秀賞、国際F.リスト賞レコードグランプリ最優秀賞等栄えある賞を受賞。
また、東京と京都にレストランをオープンし、⾳楽と旬の⾷をテーマにしたコンサートや、コロナ禍にいち早く取り⼊れたインターネットによるライヴ配信
「横⼭幸雄 マイハートピアノライヴ」を定期的に開催するなど、新しい⾳楽の楽しみ⽅を提供する⾳楽プロデューサーとしても⼿腕を発揮している。
ポーランド政府よりショパンの作品に対して特に顕著な芸術活動を⾏った世界で100名の芸術家に贈られる「ショパン・パスポート」を授与される。
エリザベト⾳楽⼤学客員教授、名古屋芸術⼤学特別客員教授、⽇本パデレフスキ協会会⻑。
2020年はショパン国際コンクール⼊賞から30年、2021年は デビュー30周年の節⽬を迎える。
【記念のCD】上述の、コンサート会場で購入したCD


ジャケットの写真は、これからの飛躍を予期させるに十分な、若い息吹を感じるさせる横山幸雄です。
右は、このCDにサインを頂いた画像です。

【余録として】
横山幸雄が、2017年に上野学園大学の教授だった時、上野学園の経営の健全化を求め立ち上げた「新しい上野学園を作る会」の代表を務め、SNSで実態を発信したところ、
大学から「解雇処分」を受けた。横山幸雄の反骨精神を示す事件としてネットで拡散されていたので、参考にその時の記事を載せておいた。